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カルチベート

カルチベート

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「学ぶ」「教養」ってなんだろう?

家族との会話から、ふと、そんな事を考え始めました。

そして とある小説に

以下の一節を見つけました。

***「正義と微笑」(太宰治)より抜粋***

『もう君たちとは逢えねえかも知れないけど、お互いに、これから、うんと勉強しよう。勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強して置かなければならん。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。勉強して、それから、けろりと忘れてもいいんだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記していることでなくて、心を広く持つという事なんだ。つまり、愛するという事を知る事だ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、必ずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!これだけだ、俺の言いたいのは。君たちとは、もうこの教室で一緒に勉強は出来ないね。けれども、君たちの名前は一生わすれないで覚えているぞ。君たちも、たまには俺の事を思い出してくれよ。あっけないお別れだけど、男と男だ。あっさり行こう。最後に、君たちの御健康を祈ります。』

********************

有名な「黒田先生 退職の挨拶」です。

文中に出てくる「カルチベート」という言葉、

【cultivate】
1.〈土地を〉耕す,耕作する,開墾する
2.・・・を栽培[養殖,培養]する
3.〈才能など〉をみがく,高める,洗練する,啓発する
4.〈友情など〉を育む,深める,・・・と積極的に交わる

という意味があります。

土地を耕し、土地を開き、作物を育て、収穫するように

知的な好奇心を、勉強の訓練を通して「カルチベート」し、意識を広げ

自分の中に残る「一つかみの砂金」を得ることで

「心を広く持つ」つまり「愛するという事を知る」ようになるのでしょう。

さて、

ムスメと一緒に 勉強しよっかな・・・。

※写真は、老教授の地下書庫を階段上から撮りました。

力德裕子拝(文・写真)

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